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兵庫県議政務調査費等違法支出返還請求訴訟判決(2017年4月25日)

ー兵庫県議政務調査費等違法支出返還請求訴訟判決(2017.4.25)

6人に約1483万円の返還認められる!

 4月25日午後、神戸地裁第2民事部山口浩司裁判長は被告兵庫県に対して、補助参加人6人にそれぞれの額(総額14,832,898円)の返還請求を行え、との判決を言い渡しました。この金額は原告、兵庫県内オンブズ3団体(市民オンブズマン兵庫・市民オンブズ尼崎・市民オンブズ西宮)が求めた返還請求額の約6割に当たります。
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総論的には
^稻,任△襪海箸両斂澄兵臘ァξ証)は原告が行わなければならないのですが、 公開された資料などによって違法であることを推認させる外形的な証明を行え ば、被告がこれをくつがえさなければならない。判決に即して言うと、人件費は どんぶり勘定ではダメ、勤務時間の把握などしっかり説明できるようにしなけれ ばならないということです。
∪攫蠅稜度を超えた使用はダメ、年度内の支出を証明しなければならない。年度 末の切手大量購入などもってのほかということです。自民党県議にはこうした使 用例が多く、会派内でそれでいいというふうになっていたようです。もっとも、 議会事務局が年度を超えても問題ないとしていたし、任期の4年内なら構わない とまで言っていたのです。

 

主文の内容は
補助参加人別の返還認定額(返還請求額)
_談佛Ω妓議   1,485,000円 全額
岩谷英雄元県議  4,345,250円(5,550,903円)
3畸忠修元県議     53,000円(741,475円)
じ教隼宛議    2,998,000円 全額
タ綸塚軌賚左議  3,269,286円(750万円)
三戸政和元県議  2,682,362円(5,127,800円)
Х原一元県議(たつの市長) 返還請求は認められませんでした。(12万円)
┳谷研造県議 提訴後に全額返還。訴え取り下げ。

 

裁判の行方
 5月2日に古殿宣敬の弁護士事務所で打ち合わせがあり、原吉三県議が控訴したことを確認しました。この裁判の被告は県なので、補助参加人が単独で控訴となると、異例な裁判になります。県が控訴したら、こちらは付帯控訴します。なお、梶谷元県議は5万3000円を返還するようです。

 

裁判所の判断
〈争点1(本案前の争点)に対する判断〉
〈争点1−1〉(監査請求期間の経過の有無」について
 本件監査請求の対象である怠る事実、すなわち、県の参加人らに対する本件各政務活動費等の支出額に相当する金員の損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の行使を怠る事実は、県監査委員において、その監査を遂げるために、参加人らに対する返納決定の適否を判断しなければならない関係にないから、法242条1項による監査請求期間の制限を受けない怠る事実に当たると解される。
 以上からすれば、平成23年度政務調査費及び平成24年度政務調査費の支出額に相当する金員の損害賠償請求権または不当利得返還請求権を怠る事実は、監査請求期間の制限を受けないというべきである。

〈争点1−2〉(監査請求の前置の有無)について
 住民監査請求においては、その対象が特定されていること、すなわち、対象とする財務会計上の行為又は怠る事実(以下「当該行為等」という。)を他の事項から区別して特定して認識することができるように個別的、具体的に適示されていることを要する。しかし、その特定の程度としては、監査請求書及びこれに添付された事実を証する書面の各記載、監査請求人が提出したその他の資料等を総合して、住民監査請求の対象が特定の当該行為等であることを監査委員が認識することができる程度に適示されているのであれば、これをもって足り、上記の程度を超えてまで当該行為等を個別的、具体的に適示することを要するものではない。
*小括:本件訴えは、適法な監査請求を経たものであって、適法と認められる。
〈主張立証責任の所在〉
 住民において、収支報告書の記載に基づくなどして、政務活動費等の支出が使途基準に適合しないことを推認させる一般的、外形的な事実を主張立証した場合には、当該支出が使途基準に適合しないこと(この点につき当該議員に少なくとも過失があることを含む。以下同じ。)が事実上用推認されるというべきである。そして、この場合には、当該支出が使途基準に適合することを主張する者(県又は議員)において、上記推認を覆すに足りる立証をしない限り、当該政務活動費等が使途基準に適合しない使途に充てられたこと(この点につき当該議員に少なくとも過失があることを含む。以下同じ。)が認められると解される。

 

〈争点2(参加人加茂関係)に対する判断〉
 参加人加茂は、県に対し、損害賠償または不当利得返還として、平成25年度政活費から充当した人件費(加茂1〜41番分)に相当する148万5000円を支払う義務を負う。

 

〈争点3(参加人岩谷関係)に対する判断〉
 郵便切手の購入は、客観的には郵便に関する料金の前払いしたことを表す商標(郵便法28条、29条参照)を購入する行為に過ぎず、当該切手が当該議員の行う広報活動又は広報広聴活動のために使用されることによって始めて、上記活動に要する経費に充てられたと確定的に評価し得るものであるから、あくまでも議員の行う広報活動又は広報広聴活動の前提にすぎないというべきである。
 そして、当該年度に購入した切手を年度以降に使用することを認める、すなわち、当該切手を当該年度内に使用し切らなくても差し支えないこととすれば、政務活動費等の余剰金の返還を免れることが容易になり(この点、当該切手を売却することにより換金し(古物営業法第2条参照)、広報広聴活動以外の経費に充てることも不可能ではない。)、年度単位で収支計算がされる政務活動費等の制度趣旨に反する結果を招来するおそれが高いといわざるを得ない。このことは、平成26年10月1日以降、政務活動費を切手の購入に充てることが原則として禁止されていること(甲13参照)からも明らかである。
参加人岩谷が平成24年度政務調査費を同年度内に使用しなかった切手の購入費用(岩谷29,30番分)に充てたことは、改正前条例に違反するというべきである。
本件勤務表には、存在しない日(平成25年4月31日)に職員3名が出勤した旨が記載されているほか、中村及び今田の勤務時間は、毎日9時から5時まで勤務したという画一的な記載となっているなど、その内容に不自然な点があることが認められる。
 参加人岩谷は、県に対し、損害賠償または不当利得返還として、(神24年度政調費から充当した広報費(岩谷29,30番分)に相当する121万1250円、及び、∧神25年度政活費から充当した人件費(岩谷33番〜102番分)に相当する313万4000円の合計434万5250円を支払う義務を負う。

 

〈争点4(参加人梶谷関係)に対する判断〉
 参加人梶谷は、県に対し、損害賠償または不当利得返還として、平成24年度成調費から充当した広報広聴費に相当する5万3000円を支払う義務を負う。

 

〈争点5(参加人原関係)に対する判断〉
 郵便切手は、有価証券としての性格を有し、売却することにより換金することが容易なものである(古物営業法2条参照)。
 政務活動費等の交付を受けた議員は、当該政務活動費等で郵便切手を大量購入した場合には、当該切手がどのような目的にいくら使われたかを帳簿等を用いて記録化しておくなど、これらの点が明確になるよう、当該切手を管理しなければならないと解される。以上からすれば、住民において、政務調査費等が大量の切手の購入に充てられたという一般的、外形的な事実を証明立証した場合には、当該購入費用の支出が使途基準に適合しない(広報費又は広報広聴費に充てらなかった)ことが事実上推認されるというべきである。この場合には、これを争う県又は議員において、上記切手の購入が使途基準に適合する(広報費又は広報広聴費に充てられた)ことについて、上記推認を覆すに足りる反証を行わない限り、上記購入費用の支出が使途基準に適合しないことが認められるというべきである。
 参加人原は、県に対し、損害賠償または不当利得返還として、平成24年度政調費及び平成25年度政活費から充当した広報費(原1,2番)に相当する299万8000円を支払う義務を覆う。

 

〈争点6(参加人水田関係)に対する判断〉
 原告らは、参加人水田が飾磨海運の代表取締役を務めていることなどから、上記購入の事実がないのにこれを装っている旨を主張する。しかし、この主張は、その内容を裏付けるに足りる的確な証拠がなく採用することができない。
 参加人水田が本件政活費等を飾磨海運に対して支払う切手の購入費用に充てたことは、公序良俗に反して無効ということはできない。
 参加人水田は、県に対し、損害賠償又は不当利得返還として、平成23年度政調費から充当した広報費(水田1,2番分)に相当する240万円、及び平成25年度政活費から充当した広報費(水田21〜24番分)に相当する86万9286円の合計326万9286円を支払う義務を負う。


〈争点7(参加人三戸関係)に対する判断〉
 三木は、〇臆耽融宛佑旅盥酸源代の同級生で、参加人三戸の選挙活動を応援したことがあり、参加人三戸が議員に就任した時期(平成23年6月)より後である平成24年3月に自宅でAPプランの事業を行う旨の届出をしたが、それ以前に印刷関係の職に就いたことはなかったこと、■腺丱廛薀鵑粒業届出をした後、印刷機器を有していないのに専ら参加人三戸から県政報告等に係る印刷業務を受注し、実際の印刷および配布作業等を専門の下請業者に外注しつつ、建設業関係の会社に勤めていたこと、参加人三戸が議員を辞職した(平成26年6月)後である平成28年3月には、APプランの事業を廃業する旨の届出をしていることが認められる。
 一般的、外形的にみて、参加人三戸がAPプランに対して県政報告等の印刷を委託する合理的な根拠があるとは認めがたいから、APプランは、もっぱら参加人三戸の県政報告に係る印刷等の業務を受注し、参加人三戸から支払われた金額と下請け業者に支払った金額の差額に相当する利益を得るために設立されたことが事実上推認されるというべきである。
 一般的、外形的にみて、参加人三戸がうららか社から政務活動等に使用する車両のリースを受ける合理的な根拠があるとは認めがたいから、うららか社は、もっぱら参加人三戸から支払われた賃料に相当する利益を受けるため、参加人三戸に対して本件車両を賃貸したことが事実上推認されるというべきである。
 しかるに、参加人三戸は、本件車両を政務活動等に使用していたことを裏付ける証拠を何ら提出しないから、上記推認が覆されるということはできない。
 うららか社の代表取締役である住所が参加人三戸の高校生時代の同級生であり、参加人三戸の選挙応援をしたことをも併せ考慮すれば、一般的、外形的にみて、参加人三戸がうららか社から政務活動等に使用する事務機器の提供を受ける合理的な根拠があったとは認めがたい。
 参加人三戸は、県に対して、損害賠償又は不当利得返還として、(神24年度政調費及び平成25年度政活費から支出した広報費又は広報広聴費(三戸1〜10番分)の一部に相当する149万7362円、∧神24年度政調費及び平成25年度政活費から支出した調査研究費(車両リース・三戸11〜29番分)に相当する85万5000円、J神24年度政調費及び平成25年度政活費から支出した事務費(事務機器利用費・三戸30番〜52番分)に相当する33万円の合計268万2362円を支払う義務を負う。


〈争点8(参加人栗原関係)に対する判断〉
 本件証明書の枚数欄及び金額欄は自らが記入したとする山下の供述の信用性を一概に否定することができない以上、参加人栗原が本件証明書の枚数欄及び金額欄を変造したと認めるには足りないというほかない。
参加人栗原が平成23年度政調費12万円分(栗原1番分)を広報費に充てていない旨の原告らの主張は、採用することができない。

 

結論

 よって、原告らの請求は、参加人ら各自(ただし、参加人栗原を除く。)に対し、損害賠償又は不当利得の返還として、主文に掲げる確定金額及び平成26年5月1日(不法行為の日)から支払済みまで民法所定の年5部の割合による遅延損害金の支払を請求するよう求める限度でいずれも理由があるからこれを容認し、その余はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用および補助参加によって生じた費用の負担については、行政事件訴訟法7条、民訴法62条本文、65条1項本文、66条、61条を適用して、主文のとおり判決する。
神戸地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官 山口浩司
                          裁判官 和久一彦
                裁判官 國井 陽平
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 市民オンブズマン兵庫の森池豊武さんからは、野々村県議事件後、監査請求・提訴を経て3年(2年)5ヶ月、60万円(領収書のコピー費用のみで20万円×3年分)の費用をかけ頑張ってきて、その努力が報われたとの発言がありました。
私も原告として、監査請求の過程で議会事務局が議員を守る壁となり監査がそれを追認したことが悔しかったが、思っていたよりいい判決が出てホッとしているとの感想を述べました。
 野々村さんは先輩議員の狃言瓩鮗けられなくてわかりやすい不正で破綻しました。その一方で多くの議員、とりわけ大会派の議員は先輩からうまく不正を行うことを学び、議員特権を謳歌し生き延びているのです。この判決が(被告県が控訴したら続きますが)議会浄化の一助になればと思います。
 原告代理人の古殿宣敬弁護士、大田悠記弁護士には、ていねいな打ち合わせ会議を背景に法廷に臨んで頂き、私たちの主張が多く採用されました。感謝しています。
 例えば、切手の購入では県議会事務局は購入時点で支出は完結していると主張しましたが、判決では切手を使用したところで支出となりました。年度末の切手大量購入についても、判決は換金する可能性も指摘しました。これによって、年度を超えた切手の使用と年度末の大量購入には決着がつきました。
 政活費の不正流用で起訴された竹重栄二神戸市議は、「同じ会派の大野一市議(2015年8月死去)から虚偽の領収書の作成方法などを教わった」(4月30日「神戸新聞」)と言っています。こうした議員はまだ大量に存在し、議員特権にあぐらをかいています。彼らには、市民の眼が光っていることを知らしめなければなりません。オンブズマンはその先頭で働くことをめざしています。 (原告 折口晴夫)

 

 

 

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