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住基ネット関連支出・監査請求
2004/5/18

8.25本格稼働に抗議

8月21日、西宮市監査事務局に住基ネット関連支出の返還・差し止めを求める監査請求書を提出しました。その全文は以下の通りです。

 10月20日、監査結果が明らかになりました。予想通りの「請求人の求める措置の必要は認めません」というものでしたが、いくらかこちらの主張も受け入れられました。監査結果全文は西宮市監査委員会のホームページの「各種報告書」のページに掲載されています。
http://kusunoki.nishi.or.jp/homepege/kansa/houkokusyo.html




   西宮市職員措置請求書

西宮市長に関する措置請求の要旨

1.請求の要旨
 2002年8月5日、山田知西宮市長は西宮市個人情報保護審議会に諮ることなく住民基本台帳ネットワーク接続を実施した。これに対し多くの市民が異議を申し立て(400件近い住民票コード通知受け取り拒否や40件を超える異議申し立てなど)、11桁の付番に反対するとともに、個人情報の漏洩を防止するために住基ネットからの離脱を要求した。こうした市民の声にもかかわらず、西宮市長はネット接続は法に沿うもの、セキュリティは万全であるとの主張を繰り返し、住基ネット関連の支出を継続してきた。
 しかし今日において、住基ネットのセキュリティが万全でないことは長野県個人情報保護審議会の第1次報告(03.5.28)等によって明らかになっており、市民のプライバシーを保護するためには住基ネットからの離脱が不可欠となっている。住基ネット関連支出は以下の通り違法違法、不当なものである。

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 住基法3条(市町村長等の責務)には「−住民に関する記録の管理が適正に行なわれるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない」とある。さらに、36条の2(住民票に記載されている事項の安全確保等)には「市町村長は、住民基本台帳又は戸籍の附票に関する事務の処理に当たっては、住民票又は戸籍の附票に記載されている事項の漏えい、減失及びき損の防止その他の住民票又は戸籍の附票に記載されている事項の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない」とある。
 この規定は住民票の管理、記載事項の漏えい防止が市長の責務であることを示している。従って、住基ネットによる個人情報の漏えいを防ぐためには離脱が不可欠であり、徒に接続を継続している西宮市長の行為は法に違反しているものであり、その支出は違法なものである。

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 西宮市個人情報保護審議会を開催することなく住基ネット接続が行なわれたが(この指摘は10月16日付、折口晴夫の異議申立書でも指摘されている)、これは明らかな条例違反である。西宮市長はこの批判をかわすために、10月31日にいたり個人情報保護審議会に付議申請を行なった。
 その結果、11月11日に第16回個人情報保護審議会が開催されたが、もとよりこのような形式的な審議会開催では犖朕余霾麒欷遶瓩砲弔い討泙箸發文‘い行なわれるはずがなく、委員のなかから「今のタイミングで審議会を開いて住基ネット接続に関して付議するのは特別に理由がああるのか。突っ込んだ議論をするのであれば今年の初め位に(早くに)開催されていればと思う」という意見が出るのも当然だ。
 さらに、「法律で決められたからどう仕様もないとなる。住基ネットの運用には危険性はあるが、法律で決まっているから、運用する以外何もない」「市の説明では付議することに意義があるようだ」「東京都杉並区のように住基ネットに反対している場合や横浜市のような対応があれば議論できるが、そうでないのなら始めから議論しなくてもいい」、といった意見が委員から飛び出している。ここまでくれば、審議会の存在意義が問われるだけではなく、こんな不適格委員を委嘱している市長の責任さえ問われるであろう。
 我々の条例違反という指摘を市長は無視したが、西宮市情報公開・個人情報保護審査会答申第29号(03.2.25)はこれを犲蠡概定の瑕疵瓩箸靴董崗鯲磴竜定に違反するといわざるを得ない」とした。また条例第25条の適用の是非についても、市長の適用除外の判断を「実施期間の当初の決定は、条例の解釈を誤ったものといわざるをえない」としている。
 残念ながら審査会はこうした判断を首尾一貫させることができず、市長の判断を追認することによってその役割を放棄してしまったが、あまりにひどい市長の条例違反に対する指摘は評価されるだろう。もっとも市長はこの批判を受け入れることなく、相変わらず条例無視を決め込んでいるが(03年5月7日付け折口晴夫に対する決定書で「条例第25条の規定により、条例第11条に規定する審議会に電気通信回線による結合について意見を聴く必要はありませんので、申立人の主張は失当と解されます」と市長は強弁している)。
 ちなみに他の自治体はどうだったか、東京都練馬区の例を紹介しておこう。志村豊志郎練馬区長が練馬区情報公開および個人情報保護審査会に提出した理由書(練総情収第150号・03.5.2)では次のようである。「実施機関は、保護条例上の手続として平成13年10月19日付けで練馬区公文書公開および個人情報保護運営審議会に諮問第12号『住民基本台帳ネットワークシステム稼動に係る電子計算組織の結合について』として諮問した。当該諮問案件については同年11月27日付けで原案どおり承認する旨の答申が提出された。これを受け、実施機関は、保護条例別紙表第1および第2を改正するため、平成14年第1回練馬区議会定例会に保護条例の一部改正案を提出した。当該一部改正条例集は、平成14年3月15日同議会にて可決・成立、同月19日に公布、施行されたところである」

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 住基ネットシステムのセキュリティに関しては、これが全国の自治体の端末を繋ぐものであることから、情報漏洩の危険性が当初から指摘されてきた。なるほどシステム上の対策は一定行なわれているが、技術上は万全な対策というものはなく、費用とリスクを秤にかける以外ないという。従って、最大のセキュリティ対策は外部接続をしないということになり、住基ネットそのものが市民のプライバシーと相容れないといわれる所以である。
 閉鎖系のはずの住基ネットシステムが外部のインターネットと繋がっているということも当初から指摘されていたが、長野県の市町村アンケートでは「住基ネットがインターネット利用のある庁内LANと接続しているのが27団体」という結果が出ている。これ以外の不備、特に人口の少ない自治体では満足な体制が取れない、全国センターから送られてくるマニュアル等に目を通すこともできないのが実態であろう。これでは西宮市がいかに努力しようと、情報漏れを防ぐことは不可能である。
 総務省自治行政局市町村課長名の「長野県個人情報保護審議会第1次報告についての考え方の送付について」と題した事務連絡(03.6.5)には、「全国の市町村のうち、1割強の団体においては、住基ネットと接続している庁内LANがインターネットと接続」とある。さらに次のような事実があり、その杜撰さに驚かざるをえない。
 「本年1・2月に全国市町村に対して139項目にわたるセキュリティ対策の自己点検を実施し、併せて108団体で監査法人によるシステム運営監査を実施。全体を通じて、大部分の市町村においては必要な対応がなされているが、必ずしも十分な対応がなされていないと思われる一部の団体については、総務省においても都道府県を通じて市町村に技術指導を行い、7月上旬にセキュリティ対策の実施状況報告を求め、適切な管理運営の徹底を図る予定」

 なお、7月17日に東京都目黒区で情報公開・個人情報保護審査会が「異議申立人の自己情報利用中止請求を認めるべきである」という答申を、31日には藤沢市でも個人情報保護審査会が「市は外部接続を中止し、送信した個人情報を抹消するよう努めるべきだ」という答申を、それぞれ首長に提出した。いずれも個人情報保護条例に基づく中止請求、異議申立てに答えたものであり、憲法13条に根拠を持つプライバシー権、自己情報コントロール権等から住基ネットへの接続を問題視したものである。ちなみに、目黒区の答申は犲己情報コントロール権の憲法上の位置づけ瓩砲弔い銅,里茲Δ暴劼戮討い襦
 「そもそも個人情報を保護する主たる目的は、情報プライバシーの面で個人の聖域を確保することにより、自らの生き方を自分自身で決めるという自己決定権の保障にある。自分が誰であり、どこに住み、いかなる健康状態にあって、どのような嗜好や考えをもち、日々の生活を送っているか等々を他人が容易に知りうるとすれば、それが個人の決定や行動に萎縮的効果をもたらすことは経験的事実である。ましていわんや、公的機関が自分に関する情報を事前の同意なしに組織的に入手し結合できるとすれば、それが自己決定に対する重大な阻害要因となりうることは、容易に想像できる。そして、個人の自己決定が阻害されているところでは、思想・良心の自由や表現の自由の保障もなく、かくては憲法13条にうたわれている幸福追求権の保障は、絵に書いた餅と化すだろう。これは、日本国憲法の想定する人権保障のあり方ではない。
 自己情報コントロール権とは、自分に関する情報を他者に開示する・しないおよび利用・提供の可否を自分で決める権利である。社会生活を営む上で、自分に関する情報を一切開示しないで済ますことはできないとしても、いつどこでいかなる自己情報を開示するかを自ら決定できることは、とりわけ今日のような情報化社会においては、前記のように自己決定権保障の原点をなすものといえる。その意味で、自己情報コントロール権は、憲法に明文規定こそ存在しないものの、自己決定権と同様に、憲法に内在する基本的人権のひとつといってよい。
 もとより、憲法上の権利にしばしば見られるように、自己情報コントロール権もまた、その保障内容や範囲が一義的明確であるわけではない。しかし、それ故にその権利性が否定されるとしたら、そもそも憲法上の人権保障の大半は無意味なものとなってしまうだろう。憲法が保障する権利の内実を、問題の文脈に照らして具体的に明らかにすることは、それぞれの時代に生きる人々に委ねられているのである。
 以上の意味において、本区が、電子計算組織の管理運営に関する条例をいち早く制定し、その後、個人情報保護条例において、憲法原理を具体化すべく自己情報コントロール権の内実を明らかにしてきたことは、日本国憲法の実現という責務を自治体として着実に果たしてきたことを意味している。この点は、国の個人情報保護法に多くの問題点が指摘され、また、未だ個人情報保護条例を持たない自治体も少なくないことなどを考え合わせると、高く評価されるべき対応であったといえる」

 以上のように住基ネットは猖[Г之茲泙辰燭海箸世ら瓩箸いΔ砲呂△泙蠅紡燭の問題を抱えており、自治のあり方が問われている。西宮市長はこの事実を直視してただちに住基ネットを切断し、これまでの住基ネット関連支出を返還するとともに、今後の予算支出を差し止めること。その金額(当初予算額)は2001年度約7145万円、02年度約8650万円、03年度約6045万円。以上の金額を下ることはないであろう。

事実証明資料として以下のものを添付する。
^杁朕塾書−02.10.16
第16回個人情報保護審議会会議録−02.11.11
E申第29号−02.2.25
の総情収第150号−03.5.2
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δ耕邯本人確認情報保護審議会第1次報告−03.5.28
Я輒馨兵治行政局市町村課・事務連絡−03.6.5
毎日インタラクティブ−03.6.6
目黒区個人情報保護条例第27条の規定に基づく諮問について(答申)−03.7.17
神奈川新聞「外部接続中止を」
西宮市主要施策からの抜粋コピー


2.請求者
   西宮市上ヶ原7番町1−6−107  折口晴夫 (郵便局員)
   ほか、西宮市職員措置請求者名簿記載の 10名

  以上、地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え必要な措置 を請求する。


   2003年8月21日

      西宮市監査委員 殿

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