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オンブズ通信 《 19号 》
発行:2006年3月8日


開発と行政と民意の狭間で!
 今、私の関わっている西宮の住民運動3つが、公法の壁で岐路にさしかかっている。
 予想される事業費の額から言えば、やはり武庫川ダムの300億円が筆頭であろう。そもそも武庫川ダムが明らかになったのは阪神大震災後のことだが、実は既に1989年に生瀬ダムとして着々と準備が進められていたのだ。
 直接のきっかけは、上流域の三田市のニュータウン開発で保水能力がなくなり、大量の雨水が一気に流れ込むようになったからである。1983年の10号台風時には天井川の下流域が危険になり、治水事業促進協議会が結成されたりしている。以来、延々とダム計画を巡っての政策や思惑で、官民の攻防が続いているのだが、一番の問題は、その間に次々と法的な縛りを望んできたことだ。
 即ち、流域4市による「リクリェーション多目的ダム事業」に関する「基本協定書」や「環境アセス」の「概要報告書」、それに殆んど知られていないけれど、「水源地対策特別措置法」によるダム指定(1994年)と地域指定(1998年)まで受けている。
 ことにダム指定の公布が1995年3月17日に、御名御璽の下で、内閣総理大臣村山富市の名で発令されていたのには、驚くと共に、後年(2000年)土井党首が現地視察に訪れた時、「一度転がり出した公共事業は絶対に止まりません!」と太鼓判を押したのを思い出して、妙に納得したものだ。
 しかし私達は、はかないうちにも抵抗を続けて、たとえば、2003年の3月議会には「市民オンブズ西宮」としても「基本協定書」の破棄を願う陳情を上げたり、「環境アセス」へもそれぞれ意見書をあげて頑張り、ネットワークも広がっていった。そ
こで漸く県の打ち出した方策が流域委員会の立ち上げで、一応、結論が出るまでは白紙というはずだった。
 しかし残念ながら、中々白紙にはならない。なぜなら前に掲げた諸法が皆、現実に生き延びているからだ。そして、最近の流域委員会で県が出してきた資料には、はっきりと「新規ダム」と載っているではないか。やはり、ダムを含めた総合治水対策が本命なのであろう。本来ならこの3月の年度末で結論を出すべき筈のところ、合意できずに延びて6月頃になるらしい。
 顧みれば、生瀬ダム時代から今日まで、幾多の変遷を重ねつつも、しぶとく武庫川ダムは法に守られて生き続けてきたのだ。その間に起きた幾度もの浸水被害や多額な公金の費消を思うと、果たして公共事業の在り方や法の拘束がこれで良いのか虚しい思いがする。

 次に訴えたいのが、事業費約186億円と言われる阪急甲陽線の地下化問題である。
 これは「踏み切り道改良促進法」に従って、延々行政に引き継がれてきた懸案事項なのだが、1993年に「山手線・建石線と阪急甲陽線との鉄道地下方式立体交差事業」として阪急と合意ができた。だが説明会を開くうちに、夙川公園への影響が大きく、松や桜を伐採するのが許せないとして、野火の如くに市民の反対運動が起こりネットワークも広がって行った。
 その結果、行政が変更案を出してきたのが昨年のこと。前に比べて夙川公園や周辺の緑は守られるそうだが、逆に、線路沿いの既存民家には、ルート変更による立退きが多数出てくる計画だ。行政は、踏切部でクロスする建石線の拡幅工事が2007年度に完工するので、引き続いて山手線と阪急の地下化工事を始めたいとしているが、説明会の席上では、むしろ促進派の方が勢いが強い。
 県や市は、「変更案に対して意見を承りたい」と言っているのに、かつてのネットワークからは、何の動きも発言も無いのが残念だ。対案とまでは行かなくても、せめてもの参画と協働精神に則した意見書や検討案ぐらいはあげたいものだし、出来得るならば、「まちづくり運動」として、よい環境作りや道路問題を考えるきっかけにして、高齢化社会に向けての望ましいコミュニティを築く先達になって欲しいのだが、無理な願いなのだろうか。

 さて、最後に控えているのが、地元東山町における巨大開発の件である。
 民間のプランナーが不良債権処理の意向を受けて、JR西日本の土地を1日に3社間で転売し、周辺の甲山と谷を含む約3ヘクタールの土地にマンション計画(約300戸)を打ち出し、「蛍の里」構想としてデベロッパーに売ろうとしているのだ。公称の事業費100億円という。
 しかし、問題地盤だし、北に甲山森林公園があり、砂防や土石流危険渓流を含む難度が高い開発なので、リスクが高いせいか、未だに、デベロッパーもゼネコンも決まらないのだ。ところが困ったことに、これまた「都市計画法32条」協議という行政との間で、開発後の公共施設の管理を定める協定書に向けての同意が着々と整いつつあり、業者は昨年末から行政と地元に一方的な圧力をかけてきている。
 そこで思うのは、昨年から姉歯建築士による「耐震設計」の偽装が問題になった中で、彼が告白したのは「発注先からの注文を断って生計の道を絶たれるのが怖かった」そうだが、設計士や建築士は社会的に見て、そんなに弱い立場なのだろうか。東山町の開発のなれそめから見ていると、どうも陰のスポンサーや構造癒着側に踊らされているとしか思えない節がある。
 つながる予定も無い都市計画道路を約6億円で部分的に作り、市に無償提供とか、本来はできない筈の袋路状の急傾斜地への団地造成等余りにも諸法無視の開発である。だが、一方では、最初の関門である32条では、申請者の社会的な資力信用は問われずに、先取りの公共施設の合意さえ整えば「29条の開発許可」に進むので、プランナーが「32条協議さえ済めば、買手がつきます」というのも嘘ではなかろう。しかし変だ。
 住民の住環境や安全を担保しなくても、行政さえウンと言えば済むという法の運用はおかしい。そんな本末転倒の公法と怪しい開発に立ち向かっている私達の町にぜひ応援をお願いします。   (前川協子)


 西宮市職員自治振興会補助金不正流用返還請求訴訟 
補助金の名称と目的の違い?
 1年前の今ごろ、私たちは監査請求の準備をしていた。その後の経過はすでにご存知の通り、補助金の返還を勝ち取るためには提訴へと向かうほかなかった。裁判はすでに3回の口頭弁論を終え、被告(西宮市長)から準備書面(1)、(2)が提出されている。だから、次回の第4回口頭弁論に向け、明らかになった被告の主張に対する反論を展開することが、現在の私たちの課題である。以下、その経過の紹介と争点の整理を行いたい。       (折口晴夫)
1.提訴以降の経過
2005年6月24日:8億400万円の返還を求め神戸地裁に提訴(訴状は7月1          3日付通信号外に掲載)・「甲1号証」(住民監査請求書)・「甲          2号証」(住民監査請求の結果)提出
     7月 8日:原告「訴状の訂正及び求釈明書」提出(同通信に掲載)
     8月31日:被告「答弁書」・「乙1号証」(平成16年度財団法人西宮市          職員自治振興会事業計画及び予算)提出
     9月14日:第1回口頭弁論
    11月11日:被告「準備書面(1)」・「乙2号証」(財団法人西宮市職員          自治振興会給付規定)・「乙3号証」(平成16年度レクリエー          ション事業概要)提出
    11月30日:第2回口頭弁論
2006年1月16日:被告「準備書面(2)」提出
     1月26日:第3回口頭弁論
           被告「乙4号証」(平成15年度・財団法人西宮市職員自治          振興会事業計画及び予算)・「乙5号証」(平成15年度財団法          人西宮市職員自治振興会事業報告及び決算書)提出
 「答弁書」
第1.請求の趣旨に対する答弁
 1.原告らの請求をそれぞれ棄却する。
 2.訴訟費用は原告らの負担とする。
第3.求釈明に対する回答
 (2)について.市職員の福利厚生事業は振興会において実施すると規定する条例3条2項に基づき、振興会は寄付行為を定め、事業計画書等を作成している。  そして、市が毎年度の補助金等を支出する際には、当該事業計画等を審査の上、交付決定を行っており、これが地方公務員法42条の計画に代わりうるものである。  その内容は、乙1号証のとおりである。

 「乙1号証」
(方針)
 (財)西宮職員自治振興会寄付行為の目的に基づき、市民と交流しながら、自治意識の向上を図るとともに、福利厚生を推進し、住民福祉に寄与する。  また、西宮市職員等の福利厚生のために実施する各種事業の見直しを行うとともに、充実を図ることにより、円滑な市行政の運営に寄与する。

 「準備書面(1)」
(3)自治振興会に対する経費の負担
 西宮市職員の福利厚生に関する条例施行規則第2条によれば、条例第4条に規定する市負担金は、昭和60年から平成14年までにあっては財団法人西宮市職員自治振興会会員の給料月額1,000分の9、平成15年度及び16年度にあっては1,000分の7に相当する金額及び事業運営の事務費に要する費用によって構成されている。また、補助金については、補助金等の取扱いに関する規則に基づき交付されている。  同規則第5条により自治振興会は、「事業計画書及び予算書」を添付した補助金等交付申請書を提出し、同規則第6条により市長がこれを審査し、同規則を遵守することを条件として、交付決定を行なっている。

 「準備書面(2)」
第2.平成15年度における収支内容について
 補助金は、公益事業、職員会館運営費等、事務費、り災給付事業、特別給付事業、レクリエーション事業、貸付事業等を補助対象事業として交付されていたものであるが、これらのうち、職員会館運営費等については自治振興会一般会計において予算化されているため、自治振興会は、交付を受けた補助金のうち、20,726千円を一般会計の職員会館運営費等を含む事業に繰り入れ、その残りの82,903千円を福祉事業特別会計における給付事業及びレクリエーション事業及び管理費(事務費)等に充当している。
 市は、この補助金を条例に基づき、職員の福利厚生事業全体を1つの事業として捉え、福利厚生のための経費として使用するべく自治振興会に対し交付しているものである。これを受けて自治振興会は、当該補助金を職員会館運営費等としての一般会計と、給付事業運営費等としての福祉事業特別会計とに振り分けて予算化してるものである。ただし、補助金の名称については、自治振興会では「事務費負担金・職員会館運営補助金」として交付を受けていたものであり、従ってこの補助金の名称がその目的を適正に表現しているとは言い難い。しかしながら、その内容は明らかに職員の福利厚生事業を対象として使用しているもので、何ら他の目的には流用されていない。
第3.負担金の変更について
 市の負担金については、昭和59年度までは、給料月額の1000分の16に相当する額であった。これは、市の負担金に職員会館の運営費及び事務費負担金等が含まれていたためであり、このことから会員掛金が給料月額の1000分の7であることと均衡を欠いていた。  そこで、負担金割合の是正を求める兵庫県の指導を受けたこともあり、昭和60年度からは、職員会館運営費、事務費負担金、独身寮運営費に係る額(給料月額の1000分の7に相当する額)を市負担金から削減し、この額に相当する分を補助金として交付することとなったものである。これにより、昭和60年度から平成14年度までの間においては、市負担金は、1000分の9となった。

2.被告(西宮市長)の主張の分析
 自治振興会の方針は意味不明である。木に竹を接ぐようにふたつの別の事柄(狃嗣永〇磴亡麝伸瓩鉢犹垤埓の運営に寄与瓠砲並列され、しかも職員の福利厚生の見直し・充実を図るとしている。これは自治振興会の一貫した方針であるが、問題は2002年の監査において自治振興会のあり方について犹愿Φ擇啣善要望瓩行なわれている(平成14年11月12日報告監第17号・「公益法人は積極的に不特定多数のものの利益を目的とするものでなければならず、特定団体の構成員又は特定職域の者のみを対象とする福利厚生、相互救済等を主たる目的とするものは公益法人として適当でない」)にもかかわらず、狃室造鮨泙覘瓩箸垢詈針が見直されていないのはどうしたことか。
 さらに、事業計画について審査し交付を決定するとしているが、4月1日付の補助金等交付申請に対して、即日交付決定通知が出されている。これでは、狄該梱瓩覆彪措阿鵬瓩ず、実態は猝疑該梱瓩箸いΔ曚ない。監査結果を真摯に受け止めるなら、事業計画を精査することなしに交付決定を行なうことなどできないはずである。そうした、やるべき時にやるべき事をしないで、2005年2月28日のマスコミ発表となったのである。これほど、杜撰な補助金交付はない。
 ここで重要なのは、誰がこの事務を担当し誰が決定したのか、という実務の問題である。それが事実上同一人物であれば、猝疑該梱瓩箸覆襪里眦然だろう。今後、明らかにすべきものとして、狹瓩箸いκ源を付け加えた意図はなにか、実務を行なっているのは誰か、さらに「補助金等の取扱いに関する規則」第6条(注)がいかに形骸化しているか、がある。
 ついでに指摘すれば、以下のような変化があり、何らかの意図を感じないわけにはいかない。2004年度において、申請の段階で「・・・等」という文字が付け加えられ、交付決定においても「・・・等」となった。つまり、03年度とは違ったものとなっているのに、なぜ即日交付決定になるのか。
  注:第6条(交付の決定) 市長は、前条の規定による申請があったときには、   当該申請に係る書類を審査するとともに、必要に応じて行なう現地調査等によ   り、補助金等の交付の適否を決定する。  2.略  3.市長は、補助金等   の交付を決定する場合において、補助金等の交付の目的を達成するため必要が   あると認めるときは、条件を付すことができる。

 補助金等交付申請書 
年度    補助金等の名称         補助事業等の目的および内容  
03年   振興会事務費負担金       振興会事務費負担金
      職員会館運営補助金       職員会館運営補助金
04年   自治振興会事務費等負担金・職員会館補助金
                      振興会事務費及び職員会館運営等
 補助金等交付決定通知書 
年度    補助事業等の名称           
03年   振興会事務費負担金・職員会館運営補助金
04年   振興会事務費及び職員会館運営等

 「準備書面(1)」の記述でも明らかなように、自治振興会への市の支出は、〇塢蘆感癲У詢膳邀曚裡隠娃娃以の7に相当する金額、∋業運営の事務費に要する費用、である。この,鉢△鰐世蕕に違ったものであり、これを一体のものとして支出することは許されないはずである。補助金支出にあたって、狷欝則を遵守瓩箸いΔ海箸畔篏金流用とがどうして両立するのか。
ちなみに、2004年度の補助金は次の通り。
職員自治振興会補助金 86,650,000円 (前年:86,650,000円)
福利厚生事業助成金  12,774,000円 (前年:13,340,000円)
           (マイナス566,000円)

補助金の不正流用についての検討
 昨年2月28日、西宮市職員自治振興会が補助金を流用していたことを市当局が明らかにした。そのとき明らかにされた数字(2003年度決算)は以下の通りである。
会員掛金(給料月額の7%) 1億1200万円
事業主負担(  同上  ) 1億1200万円      合計2億2400万円
補助金からの流用分       6800万円   給付等合計2億9200万円
 −補助金総額(西宮市一般会計)は8665万円・2003年4月1日交付決定−
 なお、「事務費等負担金・会館運営補助金は、104,000千円となりますが、36,000千円分は、職員会館維持管理費・事務費です」と注記されている。つまり、補助金総額から狄Π会館維持費・事務費瓩魄いた金額が流用分となっている。ところで、補助金の名目は狄橋讐饂務費負担金・職員会館運営補助金瓩箸覆辰討り、3600万円という金額はまさに狄Π会館運営補助金瓩謀たることになる。そうすると、狄橋讐饂務費負担金瓩呂垢戮撞詆嫖に充てられたことになり、補助金の名目そのものが偽りであったという結論になる。
  注記:補助金は一般会計のほか、中央病院企業会計・水道工業用水事業会計から   も支出されており、その総額が1億400万円(訴状では1億362万900   円と明記している)ということであろう。

 次に、2003年度「財団法人西宮市職員自治振興会事業計画書及び予算」を見てみると、一般会計の補助金等収入は8560万7千円となっている。この金額はどこから出てきたものだろうか。ちなみに内訳は次の通りである。
会館・施設整備補助金.福利厚生事業補助金(補助金収入) 8373万4千円
職員手帳(受託事業収入)                 187万3千円
 福祉事業特別会計を見てみると、補助金等収入は2億1110万6千円となっていて、その内訳は次の通りである。
事業主負担金(助成金収入) 1億1454万9千円
補助金収入           9655万7千円
(内訳 事務費負担金:8290万3千円・福利厚生事業助成費:1365万4千円) さて、これらの数字を整理しなければならないが、分からないことだらけである。とりあえず、事業主負担金は明らかなので除外し、さらに受託事業収入も除外した補助金総額は1億8029万1千円となる。しかし、この金額を上記の1億400万円と比べると、7629万1千円の相違がある。そこで、予算書総括票を見ると、補助金等収入は2億9671万3千円となっている。この金額は当然だが、一般会計と福祉事業特別会計の補助金等の合計と一致する。差額の理由は分からないままだ。

 これ以上、数字をいじって見ても手に負えないので、次に進む。いずれにせよ、問題は矢張り補助金の申請と交付である。「振興会事業計画及び予算書」にこだわったのは、これが申請の際に添付される書類であり、交付決定の判断材料だからである。あらかじめ流用が予定されてる猜篏事業の目的および内容瓩埜鯢嫂柔舛行なわれていることが明らかなのに、なぜ即日交付決定となるのか。この点について、05年2月28日の市長コメントは次のように述べている。
「職員の福利厚生事業経費に事務費等負担金・職員会館運営補助金の一部が充てられていたことは目的外の流用とは考えておりませんが、不透明で適切さを欠いた事務処理でありました。また、職員の掛金を上回る市負担分が市民の理解を得られないものと判断し、平成17年度から職員掛金と市負担割合を折半にいたします。福利厚生については、その時の社会状況も踏まえ、市民の理解が得られるよう議論し、運営に務めていきたいと考えおります」
 何度読んでもふざけて市長コメントであるが、市長さりげなく「事務費等負担金・職員会館運営補助金」と狹瓩箸いΩ斥佞鮖箸辰討い襪、これは2003年以前の交付決定通知書にはなかったものである。小さなことであるが、指摘しておきたい。ここで、市長は何を根拠に目的外流用ではないとしているのか、端的にあらかじめ流用が明らかな補助金申請を認めてきたからである。しかし、そんなことを根拠に流用を認めることは、「補助金等の取扱いに関する規則」が予定していないことであり、恣意的な運用と言うほかない。
 さらに問題なのは、2002年度まで1000分の9であった市の負担金を03年度から1000分の7に減額している点である。給付のあり方を見直すこともなく、毎年多額の流用が行われている実態を放置したまま、どうして市の負担割合を減額したのか。それは、見せかけの市の負担額減額で市民の目をごまかすためである。市長は流用の容認ではなく、流用の解消のために、 _畩蠅糞詆嫂綵爐鰺遒箸垢海函↓∋塢蘆感發鯀額すること、J篏金流用分の返還を求めること、のどれかを行なうべきであった。勿論、△呂△蠧世覆い海箸覆里世ら、,を即刻断行すべきであった。実際に市長が行なったことは、を避けるために不充分な,鮃圓覆Δ海箸任△辰拭

「準備書面(2)」の内容について
 補助金を給付に充当することは交付申請に添付されている「事業計画書及び予算書」に記載されているものであるが、これが正当なものであるとは言い難い。だからこそ、市長は猝榲外流用瓩任呂覆い猊堝明で適切さを欠いた事務処理瓩世噺世ぁ⊃橋讐駘事長は狹切さを欠いた瓩噺世ぁ△海亮詑屬鮴Ю気擦兇襪鯑世覆ったのではないか。
 さらに、猜篏金の名称がその目的を適正に表現しているとは言い難い畍世ぬをせざるを得ないように、この補助金の交付申請・交付決定は明らかに看板を偽り、市民を欺くものである。しかも、それは単に名称だけではなく、目的においても狹正に表現しているとは言い難い瓠8鯢嫂柔曾颪傍載されている補助事業等の目的及び内容は狄橋讐饂務費負担金・職員会館運営費補助金瓩任△蝓給付事業等が含まれているという解釈はどこからも出てこないのである。
 もっと根本的な問題は、犹塢蘆感皚瓩鉢猜篏金瓩琉磴い浪燭ということである。これについてはぜひ被告に問いただしたいが、市の負担率を下げても補助金でそれが補填されるなら何の意味もない。これらを峻別し、流用(お望みなら充当でもかまわないが)しないという原則を守ってこそ、負担率を下げる意味があるのではないか。
 この点を、猊蘆感發諒儿垢砲弔い騰瓩任澆襪函△茲衞簑蠅鰐世蕕になる。「職員会館運営費、事務費負担金、独身寮運営費」を補助金として交付するようになったと書かれている。現在ではこのうち「独身寮運営費」が削除されているが、補助金が給付等にも支出されている事実はこの猜儿広瓩侶舒泙らも正当化できないはずである。ところが、この流用は猜儿広瓩療初、1985年(昭和60年)度からから行なわれていたのである。だから、給料月額の1000分の7に相当する額を市負担金から補助金に猜儿広瓩靴榛拠は何もなかった、むしろ、市負担金を1000分の9に減額するためのインチキな操作に過ぎなかったのである。なお、その金額は約1638万であったが、1999年度には約7454万円もの高額となっている。いやはや、全く恐れ入るばかりである。

 以上、不充分な分析ではあるが、流用された補助金の返還を曖昧にすることは、かかる西宮市のデタラメな税金支出を容認することになる。西宮市は今、第3次行財政改善を実施しているが、補助金(05年度当初予算・180件27億5433万1千円)については1件ごとに個別に点検、評価、見直しを図るとしている。しかし多額の補助金のデタラメな申請を即日交付決定しておいて、何が犖直し瓩。流用分の返還という課題を放置しておいて、何が犖直し瓩。
 さらに、自治振興会の今後についていえば、財団法人を解散し、職員互助会への改組を行なうべきであろう。それが、の労働条件の悪化をもたらすものであったとしても、現在の市当局との馴れ合い、依存からの脱出であるという意味では自治体労働運動にとっては前進であると私は思うのだが。


松浦米子見張り番代表の講演を聴いて

 去る2月25日市民オンブズ兵庫の第10回総会で松浦氏の「大阪市の厚遇問題の現状と改革の方向」と題した記念講演を聴く機会がありました。 松浦氏が住民監査請求と住民訴訟を武器に「公費の闇」に16年間戦い、住民主体のオンブズマンの草分けで全国でも最も活発といわれる「見張り番」の先頭に立つことになった理由が朝日新聞2月の「新市民伝」で紹介されています。 それによりますと小学生で終戦。 大阪市住之江区で3人の子育てをし、PTA活動をしていたとき地域ボスと衝突、弁護士に仮処分申請で解決して貰い、法律の威力を知る。 その弁護士から大阪市の公費乱脈を追及しようと誘われ90年1月怒れる市民200人と一緒に組織を立ち上げた。 当時は弁護士から教わって住民監査請求をしても殆どが却下。 市の監査委員は身内の職員OBや議員が多く、壁は厚かった。 それでも約110件監査請求を続け、ここ数年は監査委員が違法性を認め、税金の返還を勧告する例が目立つ。 自宅は資料や新聞の切り抜きだらけ。信頼して内部通報する協力者も増えた。 会員は現在約400人、地域限定をしていないので青森から沖縄にまで会員が居る。「誰にでも出来る。 続ければ役所も変わる。」と今は電子申請も出来るようになったので日曜日でも情報公開をされているとのこと。 
 大阪市は永年労使が癒着、市議会も正常に機能せず常識はずれの職員厚遇を続けてきた。 条例に基づかなかったり、支出項目をごまかしたりしながらこっそりと続けられてきた。 そんな実態を知った市民は「市役所は大阪市から出て行け」といった電話やメールの抗議が市広報相談課に殺到した。 2004年11月から翌年1月にかけて電話は1日30本を越える日がありメールなどを加えると多すぎて把握できない状態だという。 厚遇の内容は以下の通り。

1)職員の給与・手当て  一律業務手当(特殊勤務手当)、カラ超勤、ヤミ昇給、ヤミ退職金・年金
2)福利厚生       団体生命保険、スーツ支給、リゾート施設、奨学・結婚貸与金、図書券・旅行券など
3)労組         利益供与、便宜供与、ヤミ専従、縁故採用、(地下駐車場無料使用、リゾート施設、研修費流用)
4)議員         費用弁償(廃止)、政務調査費(全国最高額720万円/年)、交通機関無料パス、永年勤続議員市長表彰(廃止)、公用車(議長、副議長のみに)
5)職員OB        外郭団体天下り、ヤミ退職金・年金
6)地域振興会連合役員  交通機関無料パス、歌舞伎座優待、永年就任市長表彰、日赤表彰、叙勲
7)厚遇を支える組織  互助組合、共済組合、互助連合会、厚生会(総務局厚生課)

上記の中でお話された問題をいくつか挙げますと05・12に監査請求をした「芦原病院に大阪市が貸し付けた130億円を返還」があります。 同和対策事業として始めたものですが、02年の地域改善対策特別措置法の期間切れ後も見直すことなく継続。 74年から赤字補填のため計約130億円を無担保融資し、焦げ付かせる結果になっています。 関市長は局長時代に融資の一部を決済しており、この引責が昨秋の出直し選挙を決断させる一因となったものです。 06・2棄却の監査結果が出ています。 同じく同和対策で市有地2カ所を二つの団体に無償貸与したり、随意契約で運営委託していた事が判明しています。 一つは大阪市かしま人権協会が管理し、現在共益費の名目で35台から月額7千円ずつ徴収し年間約300万円の収入があるが、市には還元されておりません。 もう一つは西中島駐車場。 旧同和地区の福祉向上を目的に設立された飛鳥会に、約30年間随意契約で運営を委託しています。 駐車場は年間4万から5万台が利用し、04年度は年約7千万円の営業収入に対し市第三セクターの大阪市開発公社に1,800万円の納入金だけです。 市は「既に来年度以降は契約更新しない方針を飛鳥会に伝えた」と説明しています。 最後に05・8に永年勤続議員に宝石入りバッジと記念品授与(10年以上勤続している市会議員に市長が5年毎に宝石入りバッジと表彰状と記念品を贈っている)代金310万円返還を求める監査請求をしました。市長の裁量の範囲内として棄却されましたが制度を見直すようにとの付帯意見に基づき市は10年と20年の記念品を残して宝石バッジは廃止することになりましたがその後関市長は「当初はコスト削減のため回数を減らす事を決めたが、市民から選ばれた議員を表彰すること自体おこがましいと考えるようになった」と06年度から全廃する事を発表しています。 このように今までに監査請求を約110件提出していますが、昨年の8月には1ヶ月だけで上記の宝石入りバッジを含め5件の請求を出しています。 その活動エネルギーには感服いたします。  我が市民オンブズ西宮でも見張り番の活動に習い西宮市職員自治振興会への補助金返還の監査請求を提出しましたが平成15年度の約400万円を除き却下されましたので8億400万円補助金等損害金返還裁判を提起しています。 その後蒼志会政務調査費不当支出の監査請求を提出しましたが却下されています。 厚遇問題のトップに立って活動されている松浦さんから学ぶ事はたくさんあります。 講演会では高砂の会員の方が監査請求の効果に疑問をもたれ松浦さんに質問をされていました。 簡単には効果は出ませんが交流を深めてこれからも公費の闇に光をあてて行きたいとの感を強くし、松浦さんのお話に元気付けられました。
                                 (向井記)

第3次西宮市行財政改善実施計画の分析
  機シ于
05年2月−「第3次西宮市行財政改善実施計画」の策定−完全実施によって、赤字再建団体への転落を回避する。特別職の報酬や職員の人件費などの内部管理経費の削減を05年度から実施。市民サービスに直接関わるものについては、その低下を極力抑え、06年度から実施。
 05年度の普通交付税額が、当初予算額に比べ16億4千万円もの大幅減額となる。
 06年度以降の実施項目について、具体化・追加を行なう。
05年9月26日〜10月25日−パブリックコメントの実施(237名419件)
05年11月−「平成18年度以降実施項目の具体化・追加による改定」
05年12月議会−市民福祉金の廃止案を可決。

  供テ睛
(1)人事・組織の見直し−審議会の見直しや外郭団体の抜本的見直しなど。特別職報酬等の減額、職員給料等の減額、職員の減員。市長報酬20%、助役15%、収入役・教育長・常勤監査委員・水道事業管理者10%。議員報酬5%減額及び費用弁償の一部廃止。市長等特別職の退職手当(4年で3千万円)の見直し。特殊勤務手当の見直し。職員自治振興会への負担の見直し。
(2)事業・施策の見直し−事業内容の見直し。受益者負担の適正化。敬老事業の見直し、敬老祝金・敬老入浴券・金婚を祝う会・寿手帳の廃止。保育サービスの見直し。市単独扶助金の見直し、市民福祉金・原爆被爆者扶助費・寿園法外扶助費・生活保護被保護者レクリエーション事業・就学奨励金の廃止。民間委託の推進。私立幼稚園保育料を月額8000円から9600円へ改定。
(3)財政の効果的・効率的な運営−内部管理経費の節減。補助金の節減。繰り出し基準等の見直し。自主財源の確保。職員手帳・貸与被服(冬事務服等)の見直し。補助金(05年度当初予算・180件27億5433万1千円)を1件ごとに個別に点検、評価、見直しを図る。
(4)公営企業の経営改善−中央病院事業の経営改善。水道事業の経営改善。

  掘ド床
 総じて特権的既得権益への切込みが弱く、その一方で廃止によって直接的打撃を受ける層へのしわ寄せが大きい。パブリックコメントにおいても、市議会関係(議員互助会への補助金・議員待遇者互助会への補助金・政務調査費・費用弁償・視察旅費・議員年金・無料駐車場・給仕の配置と給茶サービスなど)、特別職の報酬や退職金への更なる切込みを求める意見が多数あった。
 それらを踏まえたうえで、私たちの意見として、
‘淡的既得権益については、廃止・大幅縮小を前提に見直しを行なう。
公共事業の見直し、入札制度改革による公共事業関係支出の大幅削減を求める。
弱者切捨てなど、福祉的経費の削減には反対する。
といったところになる思いますが、定例会での意見集約が必要です。
 なお、市職員の労働条件に関わる問題において、定員や人件費の一律削減要求は乱暴であり、それぞれ具体的検討の上で削減(増員すべき分野もあるのではないか)を求めるべきでしょう。市職員を私たちの敵にしてしまうのではなく、例えば、生活保護被保険者レクリエーション事業が廃止されようとしているのに、職員レクリェーションへの市負担金は継続されるのは当然のことなのか、提起していくことが重要です。(折口晴夫)

                         
市の財源不足は何で補うべきなのか?
弱者にきびしい西宮市
当会の会員でもある西宮市議会議員・高橋倫恵さんの最新の会報では、12月議会で財政危機を理由に「市民福祉金」まで廃止になった、と報告されています。
市民福祉金は、市政ニュース7月10日号にありますように障害者・母子・父子家庭にとってわずかでもなければならないもの。
障害者なら年額最高でも54,000円にしか過ぎず、4月から始まる自立支援法とあいまって、ますます苦しい生活を強いられる障害者の方の声も高橋さんの会報には載っていました。
左下の記事(05.9.25・市政ニュース)は、その「市民福祉金」が廃止になるというニュースが載った同じく西宮市政ニュースですが、「給付をご存じですか」と大きく載せたわずか2ヵ月後の9月25日号です(縮小サイズは同じです)。これでは福祉切捨てが後ろめたい、と西宮市行政自ら認めているのも同然です。この市政ニュースの扱いの大小も高橋さんに指摘されてはじめて知ったものです。
 例えば私たちがその使途について常に不明朗であるとみてきた市議会議員の政務調査費は月に15万(年額180万円)です。12月議会で市民福祉金・廃止に賛成した各会派は、他方ではこの政務調査費はどうしても必要のようです。
 ところで2月16日、確定申告で西宮税務署を訪れた女優の藤原紀香さんは「お年寄りや体の不自由な人たち、子どもたちが安心して暮せる社会になるよう使ってもらえれば」と述べてます。
 納税者の声を議会も市もどう聞くのでしょうか。(四津谷薫)
 



兵庫県議会政務調査費
無残なその支出実態を糾す!
 議員ひとりあたり月額50万円、年額600万円、定数93、総額5億5800万円なり。これが我が県議会の政務調査費です。その金額は中流の年収に等しいものであり、しかも税金がかからないので600万円(本人に360万円、所属会派に240万円を交付)が丸まる使用できるのです。その支出実態はどうなっているのか。西宮市議会の場合は「収支報告書」1枚でおしまいですが、県会では「主たる支出の内訳」が明らかにされ、その実態をかろうじて垣間見ることができます。
 この間、市民オンブズ尼崎、丸尾牧尼崎市議がその狷睫瓩鮴査困掘¬技弔併拿仄詑屬鯔修ました。すでに3度にわたる監査請求、刑事告発等を行い、支出基準の適正化や領収書等証拠書類の公開の実現をめざしています。これらには県オンブズや当会も連名で参加していますが、私たちとしては他都市の足を引っ張っている最悪の西宮市議会から目を離すことはできません。
 県議会にあっては、この間の取り組みで監査請求をされた支出(供花代や電報代など)を議員があわてて返還するようになっています。これは議員が先手を打って、「請求のあったものはすでに返還されている」という監査結果を出させるためのものですが、「調査に係る車のリース代」とされたものがマイカーローンの支払いだったことが明らかになる等、かえって悪事が発覚した事例もあります。
 このような成果を踏まえ、県議会の政務調査費支出をガラス張りにし、違法・不当な支出の一掃をめざします。具体的には、6月県会に向けて「政務調査費の領収書等証拠書類の添付、公開を求める」請願を提出します。ひとりでも多くの請願署名を集めるために、ぜひご協力下さい。

 なお、西宮市議会については、領収書等を公開させることができなった蒼志会に対する監査請求(本誌18号で詳報)以降の取り組みとして、政務調査費支出に関する再度の情報公開請求を行ないました。そして、「各会派の会計帳簿、証拠書類等については、会派において作成・保管するものであり、公文書としては存在しません」という決定を出させました。
 こうした結果になることはあらかじめ分かっていたことですが、これに対する異議申し立てを行なうなど、あらためて「西宮市議会政務調査費の交付に関する条例」そのものの不備を厳しく追及するために、あえて行なったものです。県議会ほどの高額ではありませんが、年額180万円、定数45、総額8100万円の支出をいつまでもブラックボックスに入れたままにしておくことはできません。
                                (折口晴夫)

会員の声
 テレビ特集「日本のがん治療」を見て
今年の初めに当たりNHKは、「NHKスペシャル」として「日本のガン治療」と題し、二夜続けて1日2時間合計4時間の特別番組を放映した。
全部完全に見たわけではないが、「がん患者」の一人として興味を持って2回とも見る事になった。
一部再放送で補って感じたのは「あのNHKが久しぶりに骨のある見ごたえのある番組をやったな」との思いと、そして同時に「素晴らしいことを教わったな」と言う気分なのだ。
ではなぜそう感じたのか、なぜそう思ったのか
今日本では三分の一ががんを患い、そしてその約40%が死んでいく。
医療特集であるから当然と言え、この番組が日本の現実を、がん患者の現実を真正面から捉え、がんで苦しみ、がんの痛みを堪える家族を含む患者の立場から、率直な患者の訴えを中心に構成したと感じたからである。
(1日目)はがん患者を迎える日本の、公立病院をはじめとする医療現場の率直なデータに基づく現状の分析だった。
それは今流行の「良い病院・悪い病院」的な興味本位なものではなく、地域や病院間の格差の問題、苦しむ患者を目の前にしても依然として「学閥」が優先され幅を利かす縦割り的な医師の世界の矛盾、そして小泉構造改革路線の必然としての「患者の命」ではなくて、「利益優先」の医療行政のあり方、またがん治療について既に登録制を実施しているアメリカとの対比など、日本のがん治療が抱える問題点を鋭く抉り出していた。
私が特に関心を抱いたのは、年間2億円の赤字に悩んでいた「東大阪市立病院」の再建問題である。
オンボロで患者も医師も減って大幅な赤字を抱え、それこそ「民営化」の危機を迎えていた東大阪市立病院の新しい院長の決断、それは巷で推進されている業務の民営化でも、医師や看護師の削減、賃下げでも、そして「地域医療」や「かかりつけ医者」などをお題目にした、「儲からない患者」を切り捨て、排除する事ではなく、人口52万都市の東大阪に相応しい体制を持つ「中核病院」としての再建の道だった。
それは具体的には、病院と施設の全面的な新設・更新、そして医師や看護師の増員である。
この決断の結果、今、東大阪市立病院は患者の大幅な増加によって、完全に赤字経営から脱し黒字経営に転換、今や大勢の患者から信頼され、喜ばれる地域の中核病院となったのだ。
働く医療労働者を苦しめやる気を失わせ、患者の命を預かるのではなく、「患者を顧客」の一人として位置づけ「金儲け」採算優先の「新自由主義的」なやり方の誤りが、明々白々とこの東大阪市立病院で明らかにされたのである。

そして(2日目)はがん治療と密接な関係のある「緩和ホスピス」の関係が明らかにされた。
日本では「がん治療」と終末医療としての「ホスピス緩和ケア」が完全に分断されている。
大学でも医師の卵には「がん治療」は教えても、「緩和ケア」は教えない。
がん治療と緩和ケアが別ものとして縦割り区分され、がん治療に携わる外科医もその大半が教わらないし、ホスピスには無関心なのだ。
この国で医師はがん患者に対して、患者が如何に痛みに苦しみもがき訴えようとお構いなしにがん治療に専念する、そして外科医や化学療法で治療不可能となり、手が負えなくなって始めて、患者は「死に場所」としてのホスピスを当てられる、たとえ同じ病院内に緩和ホスピスがあっても担当医がその存在を知らないと言うことも現実として発生している。
世界各国では、モルヒネなど痛みの緩和剤ががん治療中の患者にも有効的に投与されているのに、日本では余命幾ばくもない末期患者のみにモルヒネが投与されるのだ。
だからアメリカやイギリスなどと較べると、日本のモルヒネ使用量は極端に、桁違いに少ないと言う、そして専門医も少なければ使用も制限されているのだ。
世界では「WHO基準」として、がん治療の初めから「緩和ケア」が施されているのに、日本では「痛みに苦しむ患者」ではなくて「医師の治療」が優先され、麻酔など緩和ケアの体制がいまだ弱体な結果の反映なのだ。
イギリスも1995年までは日本と同じだったが、WHO基準を採用し緩和ホスピス制度が確立されてからはがん治療そのものが大幅に改善されたという。
この状況に対し広島県では、がん患者の痛みと苦しみに立ち上がった市民団体が13万余りの街頭署名を行い、行政に緩和ホスピスの設置を訴えた結果、全国に先駆けて県内7ヶ所に「緩和ケアセンター」が設置され、大きな成果を上げているという。
2日間の番組で知らされた事といえば、それは「医療先進国」である筈の日本が、実は患者にとって大変な「医療後進国」でしかないという現実である。
番組には「がんセンター」の総長と厚生労働省の責任者が出席していた。
彼らは明らかに、がんの痛みに苦しみ、もがく患者存在を知っていた、だが番組と取材のビデオに参加した患者と、現場医師の苦悩を訴えられ、始めて日本のがん治療の遅れを認め、対策を検討すると約束した。
だがそれでも患者との間に障壁を設け、客観的にしか理解しようとしない医療官僚たちの実態に腹が立った、患者は今、痛みに苦しみ、命を危険に曝され、明日の不安におののいているのである。
片方で「患者さま優先」、「インフォームドコンセント」などと建前を強調しながら「病院は赤字だ、民営化して赤字を減らせ」「医療費高騰が財政負担になるから患者負担割合を増やせ」「医療を受けたのだから障害者も高齢者も応分の費用を負担せよ」「医療従事者の給料は高いから賃下げしろ」「医師も看護師も減らせ」「儲からない患者は他に回せ」などなど、そして挙句の果てに「患者は顧客」とばかり「さんづけではなく、さまと呼べ」と強制するのが今、日本中で、日本政府がわめきちらし、行政と議会が推し進めている「医療改革」の実態なのだ。
確かに患者でなければ病気の痛み・苦しみは分からない、患者の家族でなければその辛さは分からないかもしれない。しかしそれを理解するのが病院であり行政であり、医者であり医療従事者ではないのか。
以上、「日本のがん治療」を見た感想である。これは「がん」だけではなく全ての医療現場に共通するものと考える。
2006年1月11日              井上   淳
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