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オンブズ通信 《 18号 》
発行:2005年12月10日

蒼志会政務調査費不当支出監査請求

任務を放棄した監査委員!
 西宮市議会議員の政務調査費支出は闇のなかにあります。議員諸氏はその実態が市民の前に明らかになることを恐れ、領収書等の支出明細の開示をかたくなに拒んでいます。そこで、監査請求を通じてその開示を実現しようとしましたが、意気地のない監査委員は蒼志会にその開示を求めませんでした。
 何も役に立たないのならなくてもいいようなものですが、監査委員の任にある以上あるべき役割を果たす義務があります。そもそも、蒼志会の疑惑は昨年の補欠市議選に際して、政務調査費がその選挙運動に不当支出・流用していたのではないかというものです。事実を明らかにできるのは、支出明細以外にありません。
にもかかわらず
 \禅畤佑違法・不当な財務会計行為を特定していないので、本件請求は住民監査 請求として不適法と判断。
◆仝文書でない文書(領収書等支出証拠書類)の提示を求めることは監査委員の権 限が及ばない。
 従って、蒼志会の政務調査費支出が違法・不当だったかどうか判断できない。
と、何一つ事実解明のための努力をすることなく、請求を却下しました。
 蒼志会に領収書等の提出を求めたが応じなかったというのなら兎も角、その努力もしないで、犖限が及ばない瓩箸呂匹ΔいΔ海箸任靴腓Αどこかに、提出を求めてはいけないという規定でもあるのでしょうか。権限があろうがなかろうが、そうしないでは監査が成り立たないのだから、蒼志会を説得して提出を求めるべきではなかったでしょうか。
 今回の監査請求によって、西宮市行政にとって市議会は猊垈朕瓩蔑琉茲任△襪海箸、さらに鮮明になりました。監査委員というのは、本来そうした枠組みの外にあってチェック機能を果たすべきものですが、その内実は市行政のお飾りに過ぎなかったのです。
 それでは、市は政務調査費支出をどのようにチェックしているのかというと、次のようになっています。
「議会事務局では、議長の事務統理権のもと、議長の指揮監督を受けて事務を処理していますが、収支報告書の提出時に領収書等支出証拠書類の添付が義務付けられていないことから、収支報告書に記された内容が条例及び規則に定められた使途基準に照らして適正に処理されているか、交付した政務調査費に残余がないかを書面上でのみチェックし、会計帳簿や証拠書類が保管されている状況を確認して収支報告書を受理することとしています」
これは、要するにノーチェックということではないでしょうか。
 さらに指摘すれば、会派の責任者が領収書等を5年間保管しなければならないことになっていますが、この規定は何のためにあるのでしょうか。監査請求を行っても開示されないものを、5年も保存して何の意味があるのでしょう。それとも、市長が返還請求するときのための5年保存なのでしょうか。そんなことは、ありえないことです。残るは、何かもっともらしく見せるためだけの規定、といったところではないでしょうか。
 監査委員は最後に、市民への説明責任と制度の透明性の確保のために、市長と市議会に制度の改善を求めています。余りに恥ずかしい監査を行ったので、そんなことでも付け加えないといけなくなったのでしょう。必要だったのはそんな猊娶性瓩任呂覆、蒼志会に領収書等の開示を求めることだったことを、監査委員は今も自覚していないのです。お粗末の一語に尽きます。              (折口晴夫)

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   監査請求意見陳述
「蒼志会政務調査費不当支出」に対し8月29日監査請求を提出し、9月27日に意見陳述を致しました。 当日にその通りの意見陳述をしたのではありませんが、用意をしたものを投稿します。 当日残念ながら市会議員選出の杉山、田村監査委員は地方自治法第199条の2〔利害関係事件の監査禁止〕により除かれました。 利害関係になるような人物をなぜ監査委員に任命するのか、何時も不満に思っています。
今回監査請求に至ったのは情報公開で出てきた会計書類は立ったの2枚。 これでは税金のまともな使われ方とは思えないと感じたからです。 監査請求をすることで初めて「西宮市議会政務調査費の交付に関する条例」を読み、その内容に驚きました。
1.四半期ごとの前払い(条例第3条) 前払いだと一度貰ったお金は返したくない との心理からムダ使いになります。  使った費用の後払いにすべきです。 歳費 も勤めた月の後払いです。
2.領収書の添付を求めていません。 収支報告書だけでは支払い内容のチェックは 不可能です。 見られないと悪事に走りがちなのが人間の常です。 共産党から領 収書添付で閲覧させなければならないとの条例案が出されているのに否決(H13. 3.23議決)されています。 反対議員は意図的に市民に知られない闇の中で得 手勝手な金遣いをしようと考えているとしか思えません。 公金を使うのに領収書 という証明を付けたくない議員が多数だからムダ使いが過ぎてH20年度までの財 源不足額(赤字)が321億円と見込まれるのです。
3.タダ取りを認めています。
 第4条―2 会派解散時の翌月以降の政務調査費の返還
 第4条―3 当該議員の辞職、失職、除名、議会解散、死亡などの時も2項と同 様です。 基準日は毎月1日だから2日以降に上記の事件が発生したら、2日から 月末まで資格が失われているのにタダ取りを認めています。 これ程公費のムダ使 いはありません。
4.拡大解釈をし過ぎています。 条例第1条には「西宮市議会議員の調査研究に資 するため、政務調査費を交付する」とあり条例第5条には「市政に関する調査研究 に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」とあります。 ところが 交付に関する規則には「広報費(配送料=通信運搬費や会場費)」「広聴費(会場 費、茶菓子代)」まで認めています。 調査研究のために認めた費用であって、議 員の全ての活動を認めたわけでもない調査研究に運搬費や会場費、茶菓子代を認め るのは余りにも拡大解釈ではないでしょうか。 高額の歳費を貰ってるのですから その費用はそこから出すべきだと思います。
5.これは確か市長が提案をした条例だと聞いています。 領収書は提出しなくて良 い。 領収書情報は市民に非公開。 提出資料は鏡を入れて各会派ごとにたったの A4用紙で2枚。 しかも市長には原本じゃなくて写し(交付に関する規則第7条) 公金を支出する市長には原本で、市議会議長には写しで良いはずなのに、その逆に なっています(条例第7条)。 これから見える市長の姿勢は、市民の事などカヤ の外で市議会を立てて審議に便宜を図って欲しいという自己防衛の姿勢しか私には 見えません。 この姿勢は「第3次西宮市行財政改善実施計画(素案)」について パブリックコメントを募集したとき提出された意見「市議会の議員報酬はどうする (2件)」「市議会の議長、副議長、議員の月額報酬の減額率を20%とする(1 件)」「市議会議員の報酬について減額すべきである(5件)」「市議会議員の費用 弁償は廃止すべきである(1件)」に対し市の考え方として「本計画(素案)公表 後、市議会におきましても、自主的に次の通りの取り組みがなされ、本計画も該当 箇所を改めております。 *議員報酬の5%減額 *費用弁償の一部廃止」と市長 から減額案を出さず議会の動きに任せているという弱腰の現状があります。 この ような市長の信念の無さが議会と癒着を生む原因に成りかねませんと言うよりか既 に共産党以外はオール与党で癒着していると言うほうが正確かも知れません。 こ の条例はどうぞ好き勝手に政務調査費を使ってください。 市は領収書の提出も求 めませんし、情報公開も致しません、何もチェックしませんからと言っているよう なものです。 このように欠陥の多い条例にも拘わらず、これに抵触する公金の違 法な支出が疑われる事実が発生しているのです。(第5条違反)

 議会を通った条例だから適法だとはいえません。 先日新聞紙上で京都市長が通称ポンポン山で計画されたゴルフ場予定地を巡り、京都市が開発業者から不当に高く買い取ったとして適正価額との差額43億5千万円を市に返還するよう求めた訴訟で、最高裁第一小法廷が26億1千万円の賠償を命じた二審・大阪高裁判決を支持し確定しました。 被告の論拠は「市議会の承認も得ており、手続きは適正だ」との認識は司法の場で認められておりません。 この監査に当たっても議会を通った条例だから適法と言うのではなく監査委員はこのような欠陥にも目を光らせて頂きたい。 行政の一部局として組織に埋没することなく監査の本来の目的のために監査委員は一人ひとりが個人の良識に従い適正な公金支出という観点に耐え得る監査結果を出される事を期待しています。
 今回は領収書、実績報告書などを添付した政務調査費にかかる報告書の提出と個人又は法人などから請求が有った時は早やかに閲覧させなければならないとの条例を提出した共産党の監査委員が居られます。 共産党仙台市議団の議会ニュースを覗きますと「条例や要綱の上で許されている支出であっても、市民の疑惑を招く恐れがある支出は避ける事を心がけ、2003年度は茶菓代など飲食にかかわる支出は一切無くしました。 地方自治法第2条の「最小の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない。」を心得たこのような市民の目線に立った監査委員が居られる監査結果を期待しています。                       (向井 記)

                       資 料

西宮市職員措置請求書(2005年8月29日)
1.請求の要旨
 「西宮市議会政務調査費の交付に関する条例」によると、市議会の各会派(所属議員が1人の場合を含む)に対して所属議員1人当たり月額15万円の政務調査費が交付される。その支出は「使途基準に従って使用するものとし、市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」(第5条・使途基準)とされ、会派経理責任者は市議会議長に収支報告書を提出しなければならないとされている。
 条例にはその支出に関して情報公開の何らの規定もなく、市民が見ることができるのはA4用紙1枚の収支報告書だけである。最大会派では年額1440万円もの高額な政務調査費が支出されるにもかかわらず、その透明性はゼロに等しい。それでも今回、その支出のなかに疑惑を抱かざるを得ないものがあった。
 4月25日付で蒼志会の2004年度の政務調査費収支報告書が提出されているが、その支出のなかに条例第5条の使途基準を逸脱した支出が含まれてる疑いがある。「SOUSHIKAI PRESS」19号(2004年7月)・20号(同10月)の作成、配布への政務調査費の支出がそれである。その支出が事実なら違法・不当なものである。

 \務調査費は事実上の狎廼發里からない第2報酬瓩任△襦
 この条例は2001年3月28日に成立したものであるが、その成立過程で情報公開のあり方が論議され、共産党会派から領収書等も含めた公開を規定した条例案が提案された。審議の結果、市長提案である現行の狆霾麋鷂開瓩両鯲磴箸覆辰討い襦N亮書等の取り扱いは会派経理責任者が保管(西宮市議会政務調査費の交付に関する規則第8条・会計帳簿等の整理保管)することになっており、市民の眼にふれることはない。
 この経過を評価するなら、市当局はもちろん、大多数の市会議員は調査研究費から政務調査費への移行を好機とし、その支出の透明度を高める努力を放棄したと言わざるをえない。その支出にやましいところがなければ、市民のかねてからの要求に応えることに何の障害があるのか。議員1人当たり年額180万円という高額であり、しかも税金の対象にもならない、その支出についてフリーハンドでいたいというのは特権意識の現れではないか。
 この間、2002年9月議会に「政務調査収支報告書に領収書の添付を求める陳情」(9月19日付)を提出する等の多くの努力を行ってきたが、その実現については今も議会内で犖‘っ罩瓩任△襦この狢茖科鷭鍬瓩亮詑屬鯡世蕕にし、不正を正すためには何らかの外部からの強制力が必要である。さしあたって、監査制度がその力になることを期待したい。

◆〇垉鎚篩向けに編集された「SOUSHIKAI PRESS」19・20号!
 昨年11月14日、市議会議員補欠選挙で蒼志会のしぶや祐介氏が当選した。そのしぶや氏が19号1面で、蒼志会新メンバーとして紹介されている。そこでは会社を退職して蒼志会のメンバーとなったことが明らかにされ、4面では市議補選があることも告知されている。さらに20号1面では3ヶ月間街頭演説を行ってきたこと、妻に励まされ「8年間勤めた阪急電鉄を退職して市政に挑戦することを決意」したことなどが紹介されている。
 さらに4面では、市議補選にむけたしぶや氏の政見と思われる幾つかの政策提案が行われている。これらの行動が厳密に公職選挙法に抵触するものかどうかを論じるまでもなく、これが市議補選の事前運動であることは否定できないだろう。それぞれ他の紙面では議会活動報告が行われているが、1面に議員ではないしぶや氏が登場していることから、市民は彼が補選に出ること、事実上選挙戦を開始してることを知らされたのである。

 政務調査費の使途に疑惑!
 選挙の事前運動に政務調査費を支出することの当否は論じるまでもなく、不当な支出といわざるを得ない。問題は「SOUSHIKAIPRESS」に政務調査費が支出されているかどうかであるが、すでに述べてきたように市民がその事実を明らかにする機会は奪われている。われわれに可能なのは、唯一公開されている政務調査費収支報告書から推察するほかない。
 4月25日付の蒼志会政務調査費収支報告書を見ると、資料作成費のなかに「印刷製本費」が、広報費のなかに「通信運搬費」が、人件費のなかに「チラシ配布労務費」が、事務費のなかに「通信運搬費」がそれぞれ記載されている。ところで、「SOUSIKAI PRESS」は新聞折込と宅配によって市内全戸配布されているものと思われる。前記支出項目のなかにそれらの印刷、配布費用が含まれているものと思われる。

 以上のように、蒼志会の2004年度政務調査費支出については条例に示されたその使途を逸脱している疑いが濃厚である。監査委員はすみやかに事実を明らかにし、疑惑を解明しなければならない。そして政務調査費の流用が明らかになったなら、市長は蒼志会に対してその返還を求めなければならない。
 付言すれば、市民がこのように隔靴掻痒の思いで監査請求をしなければならない現状こそが正されなければならない。市議会議員、各会派にとっても、要らぬ疑惑を招くより公明正大な運用を実現するほうが得策であろう。政務調査費収支報告に領収書等を添付することは当然であり、それを怠っている市議会、これを求めない市長は市民への説明責任を放棄したものというほかない。ちなみに、芦屋市では会計帳簿等の閲覧が可能である。

事実証明資料として以下のものを添付する。
 \承椹垉腸饑務調査費の交付に関する条例・西宮市議会政務調査費の交付に関す る規則
◆〜鷸峅顱κ神16年度政務調査費収支報告書(その1・その2)
 「SOUSHIKAIPRESS」(No.19・No.20・コピー)
ぁ\承椹垉腸饑務調査費の交付に関する条例制定の件(平成13年3月8日)
ァ^臆飴垉腸饑務調査費の交付に関する条例施行規則
Α\務調査費収支報告書に領収書の添付を求める陳情(2002年9月19日)

2.請求者    6名(住所・氏名・職業  略)

以上、地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え必要な措置を要求する。
   西宮市監査委員 御中


            第12回全国市民オンブズマン別府大会報告 

あの手この手の公金横領・不正支出にストップを
 もっと広げよう、情報公開!

 9月10日・11日、別府市ビーコンプラザにおいて、「もっと広げよう、情報公開! 〜あの手この手の公金横領・不正支出にストップを〜」メインスローガンに第12回全国市民オンブズマン別府大会が開催された。参加者は360名。10日午後から基調報告や記念講演、さらに現職警察官による裏金問題の告発などが行われた。
 11日は昼過ぎまで、ゝ腸餡革、公共事業、C鵡隋ζ札改革、な篏金・業務委託問題(包括外部監査)、ゾ霾鷂開、Ψ抻〔簑蠅裡曲科会と全体会などが行われ、来年8月の長野県松本市での第13回大会での再会を約し、それぞれの帰途についた。以下、10日の全体会と11日の2つの分科会報告を行い、全国大会の息吹をお伝えしたい。                         (折口晴夫)

全体会・現職の迫力はやっぱりすごい!
 まず、記念講演を行った松葉謙三弁護士だが、彼は長野県副出納長兼会計局長を辞めてオンブズ活動に復帰したばかりだ。講演の内容はその1年間の長野県幹部職員としての経験であり、長野県議会議員の「議員と職員は身分が違う」と言い放つ傲慢と愚かさの暴露であった。松葉氏も1年間、威張る以外に能のない議員さんたちに泣かされたそうだが、しっかりお返しを考えれるということだった。
 まず、「偽オンブズマン」とののしった議員に対して辞めてから告訴した。次に、長野県は政務調査費の支出に関する情報公開が進んでいるので、その使途を調べ上げて監査請求を行った。松葉氏のように首長に請われて行政に入るオンブズ活動家はこれから増えると思われるが、本物のお役人になってしまう危険性もある。その点、お役人を1年で切り上げ、外からではわからない貴重な経験を積んでオンブズ活動に復帰したことは、賢明で正しい選択だと思う。
 松葉氏と入れ替わるように、大阪氏の互助連合会給付金等調査委員会の委員長に就任したのが「見張り番」の辻公雄弁護士だ。この委員会に批判的な労働者もいるようだが、大阪市の恐るべき放漫財政、公金私消に結果的に加担していた大阪市労連が厳しい批判を受けるのは当然だ。もちろん、辻氏が市当局への批判的視点を失うなら、市当局の労働者攻撃の尖兵となる可能性もあるが、私は辻氏の健闘に期待したい。
 松葉氏の次に登壇したのは愛媛県警の現職警察官仙波敏郎氏だ。内部告発直後に強制配転された仙波氏に与えられたのは机と電話1台だけで、1日6時間くらいはそこから松山城を眺めているという。それまでもニセ領収書を1枚も書かなかった仙波氏は、マル特(特別対象者)という要注意対象者として扱われていた。そして、今は県警10階の通信司令室で監視されている。
 今は常に公安に尾行されている仙波氏は、段上から会場にいるであろう公安に呼びかけたりもして、会場を沸かせた。彼が内部告発に踏み切ることができた理由は、もちろんニセ領収書作成を拒否してきたということが第一だが、妻がすでに亡くなり子も独立して今は1人であること、何かを理由に逮捕される恐れもないことなどがあげられた。尾行は単に彼が誰と会い何をするかの把握だけではなく、逮捕理由を探すためでもある。この厳しい条件のなかで働き続けている彼の「人生は闘いだ」という言葉は、強制配転の内示を受けていた私にとって大きな勇気を得るものだった。

警察問題分科会・警察の闇に迫る!!
                                 岡本真砂
 去る9月10日・11日の両日、大分県別府市において第12回市民オンブズマン全国大会が開催されたが、私は昨年の函館大会に続いて再び今年も警察分科会に参加することになった。
 昨年の大会では、北海道警察元幹部の警察官たちが在職中の捜査報償費の裏金作りについて、勇気ある告発をされたので、参加者の多くが深い感銘を受けたのであった。その直後に「明るい警察を実現する会」がオンブズマンの弁護士を中心として立ち上げられ、巨大な組織の闇に抵抗して自殺や辞職に追い込まれたり、告発に踏み切った各地の元警察官たちの訴訟や講演活動などの支援が着実に歩みだしており、全国ネットワークニュースも6月に創刊された。
 今年の大会は、新たに愛媛県警の現職警官である仙波敏郎氏による裏金問題の講演があった。現在56歳の仙波氏が、巡査部長に昇進された1973年頃、上司から裏金作りに協力を要請されたが、公金の詐欺、背任に繋がる私文書偽造には加担できないと拒否されて以来、「要注意人物」として昇進の機会も与えられず、長い間県下の交番や駐在所を転々と勤務してこられた。昨今、全国各地で警察不正の告発が相次ぐ中、仙波氏もこの1月に現職のまま組織的な裏金作りの告発に踏み切られたのである。以来、仙波氏に対する組織の迫害は一段と強まっているが、現職警官が実名、顔出しで自分の所属組織の不正証言は恐らく警察史上では例の無い究極の内部告発と言えよう。幸い、且つての駐在所勤務で深い信頼関係を培われている地元住民たちの立ち上げた「仙波さんを支える会」とオンブズマンの「明るい警察を実現する会」が連携して支援活動が行われているのは心強い限りである。この長い年月、渦中にありながら毅然として正義を貫かれる仙波氏の姿は、葉隠の武士道を今に見る思いがする。それにしても国民の求める真の警察官が、その使命を全うすることができない巨大な組織が、情報公開の進む社会にあって最後の砦となっている現状では、我が国の治安維持は危ういものがある。
 昨年北海道警察を告発された元警察官たちも、このたびの大会に参加されていたが、当時の苦渋に満ちた姿に比べて、表情も口調も見違えるように明るく、あれからかつての組織の圧力やマスコミなど、世間の風に耐えながら新たな道を歩みだされた元警察官たちの男らしい姿に再び感動させられた。警察は相次ぐ裏金疑惑追及に対して、捜査費予算額及び、捜査報償費を半減させているが、特定地域だけの裏金一部返還など、表面的な幕引きに追われているように見受けられる。宮城県では捜査の妨げになると称して、支出文書の提出をすべて拒否した宮城県警に対して、浅野知事は「証明のない所に予算なし」と予算執行停止命令を出した。県の予算を司っている全国の知事も、警察庁長官の介入にひるむことなく、全都道府県警察の捜査報償費について、厳しい対応をすべきである。市民は1日も早く、警察の闇が明け、「明るい警察―信頼できる警察」が実現することを切望している。

議会改革分科会・政務調査費に迫れ!
                                 折口晴夫
 大会2日目の9月11日午前、昨年に引き続き議会改革分科会に参加した。地方議会の改革において最も先進的な取り組みは政治倫理条例の制定である。何故なら、自らの手足を縛ることを、議員が進んで行うことなどないからである。資産公開は当然としても、当該自治体関係の請負の制限や問責制度もある。住民の調査請求権や政治倫理審査会までもとなると、古いタイプの議員は窒息死するだろう。
 それでも、九州地方を中心にその制定が進んでいるのは、議会の不祥事の発覚、選挙における市民の審判、生き残りを賭けた狎治倫理瓩旅霰髻△箸い辰臣悉錣あったからだろう。もちろん、そうしたチャンスをのがすことなくつかまえ、点から線へと広げる力がオンブズの側にあってのことである。
 その理論的支柱、政治倫理・九州ネットワーク顧問である九州大学名誉教授の斉藤文男氏が今年も講演を行った。その斉藤氏が新しい問題点としてあげたのが指定管理者制度であった。これが情報公開の対象外になっていく危険性があることは、前日の全体会でも指摘されていた。斉藤氏が指摘したのは、これは今流行の規制緩和、アウトソーシングであるが、三菱総研が10兆円規模の新規事業の民間マーケットへの開放だと評価しているとのことである。これは公共事業利権が土木から第3次産業に移ったということ、すでに住基ネットという巨大なIT利権が稼動しているが、それに続くものとなるのだろう。
 さて、今回の私の狙いは当然にも政務調査費だった。すでに、8月29日に蒼志会の政務調査費の不正支出について監査請求したところだったので、全国で監査請求や裁判がどのように行なわれいるのかを学んで帰りたかった。その報告は道南オンブズマン、名古屋市民オンブズマン、市民オンブズ石川からあった。
 道南市民オンブズマンからの報告は、函館市議会の政務調査費訴訟で1部勝訴したというものだった。内容は観光と区別できない視察旅行の費用を、函館地裁が違法な支出と認定している。それが可能だったのは、支出の内容について「サハリン経済交流」とか宮崎シーガイア調査、3月末の大量資料購入等と具体的に把握できるからである。これが情報公開の威力であり、大多数の地方議会が領収書等の公開を拒む理由でもある。
 次は名古屋市民オンブズマンの、自民党名古屋市議団のズッコケ仲間割れについての報告。ことの発端は、前団長が記者会見で、政務調査費の一部を「預かり金」としてプールし、市議選の年に市議に分配するために団長が引き継いで積み立てていたことを明らかにしたことだ。市議団は「預かり金」の存在を否定しているが、名古屋市民オンブズマンが監査請求を行い、それが認められなかったら住民訴訟を起こすことになっている。こうした棚ぼた的なきっかけはめったにないだろうが、そこから政務調査費の闇を暴くのは胸がすくだろうなと思う。
 市民オンブズ石川からの報告は、金沢市議会の政務調査費違法支出にたいする裁判闘争である。違法と指摘している対象は、会議費の主たる支出が「食料費等」とか「食糧費等」になっている点である。これはもう説明の必要もないことだが、会議のなかでお茶やおかしがでるくらいならまだしも、主たる支出とあっては認められるはずがない。かつて、官官接待が問題となり、全国的な取り組みによって「食糧費」(需要費)が激減した。
 そもそも政務調査費とは何か。「国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律」(1953年施行)によって、国会議員には一人当たり月額65万円の立法事務費(国会議員の立法に関する調査研究の推進に資するため)が支給されることになった。地方議会議員も同じようにお金がほしいということになり、法の壁を乗り越え(捻じ曲げ)て、「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附または補助をすることができる」(地方自治法232条2項)という規定をこじつけて会派への補助金として実現させてしまった。
 しかし、地方議会議員にとっての猯法瓩箸浪燭。国会議員の議員立法に対応するものとして考えられるのは、条例制定ということになるが、議員立法ができる国会議員がほとんどいないのと同じように、条例を提案できる地方議会議員がどれほど存在するのか。かくて、政務調査費は税金を取られない第二の報酬となり、首長から議員へのプレゼント(買収費)となるのである。
 その支出については一応の使途基準というものがあるが、おおかたの支出は闇のなかだから節操もなく、自宅の電気・ガス・水道代などの光熱費、NHKの受信料にまで使ってしまう議員(これは練馬区会議員だ)もいる。滋賀県議会自民党系会派は政務調査費の一部を自民党県連に支出し、靖国神社を参拝して玉串料まで払っていた、等々。
 全く国も地方も、議員と名のつく連中は税金を自分のポケットにねじ込むことしか考えていないのではないか。それを元から絶つには政治倫理条例が不可欠だが、政務調査費支出の透明化すら今だ重い課題として横たわっているのが現状だ。何とかその壁を突破したい。


               ふたつの裁判の報告 

1.大詰めを迎えた兵庫住基ネット訴訟
 2003年8月25日の提訴から2年3ヶ月余、兵庫住基ネット訴訟は結審・判決へと向かおうとしています。住民基本台帳ネットワークシステム2次稼動の日を提訴日とし、11桁の住民票コードによる国民管理に反対してきました。幸いというべきか、2次稼動によって誕生した住基カードの普及は遅々として進まず、このシステムそのものの有効性にも疑問符がついています。
 さて、裁判の進行は10月7日に第10回口頭弁論を終え、次回12月16日(11時・神戸地裁204号法廷)にも結審を迎えようとしています。この間の最大の争点は、兵庫県が各市町に対して実施した住基ネットに関する「セキュリティーチェック」の扱いでした。神戸地裁がその回答書の提出命令を出したのが6月30日、これを不服として被告側が即時抗告したのが7月11日でした。そして、第10回口頭弁論をはさんで、大阪高裁が即時抗告棄却の決定を出したのが10月28日です。
 こうして、文書提出をめぐる攻防は私たちの勝利で幕を閉じました。この有利な状況を活用し、金沢地裁に続く住基ネットの強制は違憲との判決を勝ちとりたいものです。なお、かねてから個人情報の垂れ流しとして強く批判されていた、住民基本台帳大量閲覧制度の見直しが、「原則非公開」で決着を迎えようとしています。こうした成果も、反住基ネットの取り組みの成果と言えるでしょう。

2.始まった犖濬会疂篏金返還請求訴訟
 6月24日に提訴した西宮市職員自治振興会補助金不正流用返還請求訴訟は、9月14日に第1回口頭弁論が、11月30日に第2回口頭弁論が開かれました。その間の動きとしては、8月31日付けで被告側から「答弁書」が提出され、さらに11月11日に「準備書面(1)」が提出されました。
 そこで述べられている被告・西宮市長の主張は、地方公務員法、西宮市職員の福利厚生に関する条例及び条例施行規則、補助金等の取扱いに関する規則、財団法人西宮市職員自治振興会寄付行為及び運営規則・給付規定に沿って福利厚生が行われている。福利厚生に関する条例上は「明記していないが市の予算書には『振興会補助金』として毎年予算化され、市議会において審議の上、議決を受けていることから、殊更明記していなくても問題ないと考える」(答弁書1ページ)等、補助金支出の正当性を強調しています。
 しかし、問題はその実態です。例えば、補助金等の取扱いに関する規則「第5条により自治振興会は、『事業計画及び予算書』(平成16年度分は乙1号証)を添付した補助金交付申請書を提出し、同規則第6条により市長がこれを審査し、同規則を遵守することを条件として、交付決定を行っている」(準備書面。灰據璽検砲箸△蠅泙后こうした手続きの流れが、実態としては4月1日の申請に対して4月1日の交付決定となるのです。
 つまり、即日決定。それこそ、今問題となっている耐震強度偽造の建築確認と同じです。いくら犒茲泙蠶未蠅笋辰討い覘瓩噺世辰討癲△修亮詑屬市民の常識を外れるなら、そうした犒茲泙雖瓩寮掬性そのものが問題となります。この裁判、そうした意味において、お役所の常識を打ち破るための闘いです。
                                (折口晴夫)
                                
2006年1月の予定 ────────────────────── 
 1月定例会  1月11日(水)午後7時〜9時 ウエーブ414学習室
 西宮市職員自治振興会補助金不正流用返還請求訴訟
 1月26日(木)午前10時〜   神戸地裁203号法廷

市民オンブズ西宮・会則(2001年6月24日採択・02年6月9日一部改正)
第1条〔名称〕本会は「市民オンブズ西宮」と称する。
第2条〔目的〕市民の知る権利を行使し、行政及び議会の活動をチェックして、健全   な地方自治をめざす。
  2 緑豊かな自然と平和で安全な環境を守るため、自然破壊や生活破壊につなが   るあらゆる動きをチェックし、よりよい市民社会をめざす。
第3条〔活動〕会の目的を実現するために、市民の積極的参加により、情報公開請求   や住民監査請求、提案行動などを行なう。
2 議会傍聴や宣伝、学習会を行ない、会報を発行する。
  3 全国のオンブズ組織との連携や、市民の運動団体との共同行動をめざす。
  4 会の活動は開かれたものとして、多くの市民の参加を受け入れる。
第4条〔総会〕総会は年1回開催し、日常活動は月1回の定例会で確認する。
第5条〔会員〕会の目的に賛同し、会費の納入をもって会員とする。会員は会の活動   によって私的利益を図り、あるいは受けてはならない。
第6条〔役員〕世話人会と会計監査をおく。
  2 代表世話人と会計監査は世話人会の互選によって選出する。
  3 役員は総会で選出し、任期は1年とする。
  4 役員がやむを得ない事由により任期途中で退任する場合は退任届を提出し、   定例会は出席者の過半数の同意をもって年度末までその任を他の世話人に委任   する。
第7条〔財政〕年会費3000円とカンパで賄う。
第8条〔会計〕年度末に決算報告をし、監査報告を行なう。
第9条〔改正〕本会則の改正は総会で出席者の過半数を可として行なう。
郵便振替口座:00970−0−15953 加入者名:市民オンブズ西宮
┌────────────────────────────────────┐
│ 編集後記  通信発行が1ヶ月も遅れてしまいましたが、今号は政務調査費  │
│ の監査請求を中心にまとめました。ご意見・批判等どしどしお寄せ下さい。大 │
│ 阪市議会が政令市で始めて費用弁償の全廃を決めたという報に接し、西宮市議 │
│ 会はいつまで特権にしがみつくつもりなのかと疑問がわく。監視を強めよう(晴)│
└────────────────────────────────────┘
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